姫路城を訪れる外国人観光客は、たいていウキウキしたテンション高めの方が多く、ガイドを終える時に「楽しかった!」「出会えてラッキーだった!」という言葉をご褒美に頂くことが多いのですが、中でもお一人、忘れられないお客様がいらっしゃいます。
アメリカ・テキサス州からお一人でいらした上品なマダムでした。最初にお互い自己紹介をした時に、息子さんのお嫁さんが日本人で、不治の病で大阪のホスピスに入院中のため、彼女に会いに来日したと、それまでにない理由を伺い衝撃を受けました。前日は雨、翌日も雨の予報で、その日だけは目の覚めるような青空に恵まれ、お嫁さんの体調も安定していたので、思い切って来てみたとのことでした。
ご自身も肺が弱く、長い上り坂は息が切れると仰ったので、様子を見ながらゆっくりと天守最上階まで登り、無事に降りることができました。お城についてたくさん質問され、歴史的な背景を楽しまれ、シャガの花が咲く5月はこの一角が綺麗なんですよと写真をお見せすると、テキサス州花はブルーボネットという青く小さな花で同じように可愛いのと教えてくださいました。時には、お嫁さんは自分が知る中で最も素晴らしい人だった、今とても深刻な状況で受け入れるのが辛いと、悲しい胸の内も語られ、その時はひたすら聞き役に徹しました。
お別れ間際に彼女が、「天気や彼女の体調全ての条件が揃って、今日たまたまお城に来たらあなたに出会えて、思いがけず楽しい時間を過ごせました。これは偶然というより奇跡です。あなたは神様が私に与えてくださった贈り物よ。」と、言葉を尽くしてお礼を伝えてくださった時の気持ちが忘れられません。私こそ、こんな贈り物を頂けるボランティアガイドに携わることができて、感謝しかないのです。
この日は4名の会員が5回の案内を行いました。
1オーストラリア 1名
ブリスベンから、訪日2回目の40歳代、台湾出身でオーストラリア在住の訪日5回目の20才代の男性2人組。今回は大阪から姫路へ、その後広島、岡山予定。岡山は倉敷を勧めておいた。
万博は混んでいたが、大屋根リングが素晴らしかった。
2イタリア 4名
トレントから友人たち。ひとりがドイツ語の教師、彼女が日本の現状についてよっぽど関心があったようでめちゃくちゃ質問されました。
3バングラデシュ 2名
鯱鉾や猪目などいっぱいついていて、人々の城を守る願いが込められた城という印象を受けたそうだ。
4コロンビア 4名
シアトルに住むコロンビア出身の家族。午前に伏見稲荷で、この暑さの中午後姫路城、さすがに疲れは見えてて、何度も休憩を取りながら進みました。
菱の門に帰ってきたところで、警報級の豪雨に見舞われ、大手門のタクシーが見えるところまで詰所の傘4本を貸し出し、回収して見送りました。
アナタとても優しいと感謝されましたが、さすがに放っておくことはできなかったわけです。
5マルタ 1名
マルタからの女性一人旅、7週間の日本旅。北海道、沖縄に行きたかったが日数が足りない。日本の旅に非常に満足している様子。言葉には全く問題なし、料理も旨い。旅を楽しんでいる様子。本国では小学校の教師。そこに台湾、新竹の4人家族が参加。
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