半年前姫路に二泊もしてくださったアメリカ人から勧められた和食の店に、最近行く機会がありました。地元の人間なのに外国人観光客から姫路の店を教えてもらうというあべこべな話です。
落ち着いた佇まいの空間で、ちょっとお高い店長おすすめコースを注文し、せっかくなので播磨の地酒もいただくことにしました。テーブルには日本酒として、1奥播磨(下村酒造、安富町)、2青乃無(八重垣酒造、安富町)3播州一献(山陽盃酒造、山崎町)4米のささやき(本田酒造、網干区)順番は忘れましたが、ブランドのみ書かれたメニューが置かれていました。
これらはまさしく播州を代表する地酒のブランドで、例えば今年水戸に旅行に行ったときでも、播州一献などは居酒屋に置かれているのを発見しました。
しかしながら少し困ることには、例えば播州一献であったとしても、どの酒蔵さんもさまざまな種類の日本酒を製造しているわけですから、私のような日本酒にちょっとうるさい者にとっては、「播州一献、純米大吟醸」くらいは書いておいてほしいし、ビギナーや他県のお客さんには「辛口、お刺身などに合います」などとあらねば、この四つからどう選んだらいいか分かりません。ボトルを一本一本持ってきてもらい、結局オールマイティな青乃無を注文。他のはそれぞれに引き立てるものが違い、よってそれぞれのブランドにそれぞれの役割が違うのです。
酒飲みの私でもちょっと不親切と思うのですから、隣に来た中国系アメリカ人の一家にとってはもう何のことか分かりません。お父様はせっかく地酒の飲める和食の店に来たのですから、それはジャパニーズサケを堪能したい。そして若い店員に英語で尋ねます。「ここに書いてあるのが酒であることは分かるが、どうやって選んでいいか分からないから説明してほしい」
とても丁寧な英語でしたが、悲しいかな店員さん、「イエス、サケ」
プライベートなので私も出しゃばりたくはなかったのですが、ついつい、おせっかいをしまして、四つのブランドの説明を全部やり、上から二番目が一番高いけどこれぞ世界に誇れる地元の酒である、ほら私も今こうして楽しんでいます」とお仕事をしてしまいました。
中華系の方で漢字が読めるわけですから、名前の説明をしてあげると選択のとっかかりができたようで、嬉しそうに決めていました。
その後は軽く旅行についてのお話で盛り上がり、いつものお城の案内でやっているようなことをここでもやってしまいました。他の日本人のお客さんも「こんなところまでインバウンドが進出しているのか」というような不思議そうな目で我々を見ていました。後で店員さんに聞くとグーグルの口コミで外国人も増えてきているとのこと。そういや私も外国人に聞いてここに来たのだった。
その店では写真を撮らなかったので、これもまた姫路を代表する地酒を載せました。ズバリ白鷺の城!(田中酒造場、姫路市広畑区、広畑区はVEGAの主力メンバーを2人も輩出しています!)
しかもこれは私が以前お城に来たイタリア人にお土産として渡したもので、向こうで日本酒パーティをしたときに撮ったものを送ってくれたものです。地元の酒が世界で楽しまれるのを見るのは誇らしい限りです。
この日は5名の会員が6回の案内を行いました。
1フィリピン 6名
マニラの銅関係の家族会社の一行。北海道、東京、京都、大阪、福岡と日本縦断の旅
をしている。日本の方がフィリピンより蒸し暑いとのこと。
2フランス 5名
車椅子に乗った少年とその家族が地図を持って、入城してきたところに出会い、そのうち1人だけ英語を話せる女性がいて、手伝いを申し出た。
初めて来た人には地図があっても城内にどのような道や坂があるのか分かりにくい。また、少年は少しは歩けるので天守内も見せてあげたいと言うので、天守南に車椅子を駐めて、城内を案内した。
以前同じようなケースがあり、その時車椅子の置き場を知り、もっと多くの方に少しでも天守内に入ってもらいたいと思っていたので今日は嬉しかった。
3ルクセンブルク 4名
アジアが好きで今回は日本に来てドライブしながら観光中の家族。
姫路では思うホテルが見つからずラブホテル2部屋に泊まったと笑って話していた。
5階で急にお母さんが座りこみ、熱中症になったようだったが、スタッフや他のお客様が親切に助けて下さり、短時間で回復されてホッとした。
その後は無事最後までツアーを終えることができた。
4ドイツ 2名
高校生の時に1年間日本に留学していて今回が3回めの日本旅行の男性と日本旅行2回めの母親との2人旅。
前回に色々とお城に行ったが姫路城が1番素晴らしいと言われました。
今回は暑さを避けて水族館や美術館など室内で楽しめる場所を訪ねているそうです。
日本とドイツは色々と共通するところもあって興味深いそう。
明日は、相撲のショーを見に行く予定。
5カナダ 2名
カナダ東部からの夫婦、初訪日。姫路城は訪日した友達みんなが勧めてくれた。この大きな建物が木材ですべて作られていることに感心していていた。
6メキシコ 2名
メキシコ出身の夫婦と1歳半の息子。夫が前職を辞めてから次の仕事まで2カ月あるのであこがれの日本へ。
二人とも日本の城が好きで日本語の挨拶はバッチリ、夫は5階の刻み番付のひらがなが読めるほど。
赤ちゃんをおんぶしていた夫は階段を下りきった時ほっとした様子でした。
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