顔か? 十字か?(8月18日晴)

活動日誌

姫路城二の丸の「にの門」の櫓にある西向き鬼瓦の紋様は、家紋でもなく、鬼の顔でもなく、十字です。この十字の紋様は、城内では他に無くこの一カ所のみです。

フランシスコ・ザビエルによるキリスト教伝来の話をこの場所でするのですが、私は時に「輝政は、西国の敵に向けて十字を示して威嚇した。彼はバンパイア伝説を知っていたのだ!」とジョークを飛ばします。

時には調子に乗って、「(櫓を見上げて)銀の矢とニンニクもあそこに!!」と言うこともあります。今日のアメリカ人技術者たちはノリ良く喜んで呉れて良かったのですが、時に怪訝な顔で白けてしまうことのあるのが、ジョークの難しいところです。

お城の案内も終わりに近い「ぬの門」を上山里曲輪から抜けて、振り返って西向きの石垣にある「鏡石の造形は何?」と質問をすると、しばらく考えてから「十字」と。吸血鬼のジョークが効き過ぎたか?と反省しながら、勿論「答えは顔ですよ。ピカソの絵のような。」と説明すると、納得してくれました。

関ヶ原の戦いの数年後、まだ大きな戦の勃発がありそうな工事を急がなくてはいけない時期に、こんなユッタリした面白いものを作らせた池田輝政に、私はすっかり感心していて「顔」と信じていたのですが、その日は「十字」の回答がなぜか気になりました。

確かにそう思ってよく見ると、眉のうえの鼻筋と繋がる四角い石は顔には不要だし、そもそも眉が左右繋がっているのは可笑しい。池田輝政が大阪城の秀吉の守りで、三河吉田城主時代に洗礼を受けていたこともあり、これはひょっとすると、輝政が徳川にほんの少しだけ気を遣った「大きな十字」なのかも、と思い始めました。(こんなこと言っていると笑われそうですが….。)

この日は4名の会員が6回の案内を行いました。

1ドイツ 2名

ニュルンベルク出身のカップル。女性はBoshのインターンとして東京で働いている。
万博に行ったが、とても暑かったとのこと。

2スペイン 2名

二人とも日本文化や歴史、特に幕末の歴史に登場する人物に興味があるそうで、
京都では新選組にゆかりのある壬生寺を訪ねたそうです。

3アメリカ 2名

LAでSEをしている男性が初音ミクのコンサートにこれまで2回来たことがあり、その時から姫路城を知っていて今回友人を連れて来姫。
万博で買ったメガネをかけていた。

4香港 3名

親日家のマカオ在住の家族。
10歳の男の子もこれで3回目の日本。今回は自動車で有馬温泉で泊まって今日は姫路でゆっくりする予定。

5ガーナ 3名

初めての日本の城。大きな木造建築に、また、誰もこの中に住んでいなかったことに、驚いていた。

6アメリカ 2名

松本城と大阪城へ行ったが、大変混んでいたので、入らなかったそうだ。何処とも、お盆シーズンは混んでいるということがわかったと言っていた。

コメント