VEGAでは3月に会員対象に研修会を行っています。今年は新神戸駅近くの竹中道具博物館に赴き、姫路城でも説明をする機会が多い日本の建築について、思想、歴史、民俗学などさまざまな視点からガイドの方のお話を伺いました。VEGAからは22名の会員が今回の研修に参加しました。
博物館からは館長の方と歴戦のボランティアの方の2名がお迎えくださりました。博物館側の考え方で、我々を同じ志を持つ日本文化の発信者として、温かく、また熱意をもって2時間のレクチャーをしていただきました。
22名を半分ずつに分け、これを書いている私が入った班はまず最初に普段は公開していない庭と茶室に入らせていただきました。この魅力的な博物館がなぜここに立地しているかというと、ここが竹中工務店発祥の地だということで、茶室や庭の灯籠、小さな祠などは創立者の住まいだったときのものをそのまま残して活かしているということでした。
私は個人的に2回ここを訪れたことがありますが、枯山水の庭の前にとても素敵な空間の休憩室があり、昼食を持ち込んでいただけるとのことでした。これは近所に住んでいたら使い倒すだろうなというほど心地よい場所でした。
まずこの博物館で目をひく唐招提寺の柱の木組みの模型の説明を受けましたが、研修中にも他のメンバーとも話しましたが、興味深い説明にたいして、参加者である我々会員も話し手の熱意を促すような質問をどんどん放ちます。それでレクチャーする側から新しい情報を引き出すことができ、話が盛り上がります。
姫路城の案内の時もこれは同じで、好奇心旺盛な外国人観光客が我々の説明したい欲求を掻き立て案内時間が通常の倍にもなることがあります。こういった出会いがあったときこそボランティアガイド冥利に尽きるというもので、彼らに日本旅行のハイライトと思っていただくべく出せる全てを出してもてなすのです。今日のお二方もそのように思っていてくださったら嬉しいと思いますが、さて。
心に残ったトピックとしては、日本人の性質として真面目にきちんと仕事をすることは想像できますが、それに大陸や西洋からの道具の技術がいいタイミングで導入されて、日本の建築技術が飛躍的に上がること。大工の仕事として、さまざまなパーツにたいしてどの材質を使うかを見極めること、またそれは檜や杉や栗やという種類の問題だけでなく、同じ檜でもどの産地の檜がよいかまで把握すること。大名など、数奇者、パトロンが美術的な要望をデザイナーにぶつけ、それに応えるかたちで技術が飛躍的に向上していった、つまりそういった審美眼を持つ有力者が減ったことが、技術の進歩を止めてしまっているとも言えること、などなどです。
自分の説明することが好きで好きでたまらないというのが聞き手に伝わってしまうようなガイドがいいガイドだとも思います。館長様はそのような熱意のある人で話もとても上手でした。立ち振舞いやしゃべり方など、ガイドとしても見習うところがたくさんあるツアーでした。
ランチにはステーキランド神戸館で鉄板焼を堪能しました。ここは外国人が神戸でステーキの店を紹介してほしいと言われることが多いので、我々メンバーも自信をもってお伝えできるようにとチョイスしました。2時間のレクチャーと姫路からの移動で喉がカラカラだったメンバーたちは、午前中のインプットを全部ぶっ飛ばすほどの喉ごし爽やかなビールで豪華な食事を堪能したのでありました。


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